PS2の劣化した熱伝導シートの金属板による交換、補修

秋葉原某地図屋にて\1000でジャンクPS2を購入したのはいいが、二週間でフリーズ多発。
ソフトも買ってしまい新品を買いなおすのも馬鹿らしいので修理することにしました。

異常が熱暴走?によるフリーズだと考えられるので、熱伝導シートの代用品を導入して冷却性能の修理を目指します。

原因箇所

Googleで調べてみると初期のPS2(SCPH-1x000)は熱暴走に起因するフリーズが多く、また熱伝導シートの劣化によりフリーズが多発するという問題点があるようです。
このPS2は初期ロット(SCPH-10000)のため、熱排気の悪さと経年劣化によりうまくCellプロセッサが冷却されてないと考えられます。
そのため、新しい熱伝導シートに交換する必要があります。

が、PS2の熱伝導シートは厚さ1mmほどあるため市販されている自作パソコン用の熱伝導シートでは薄く冷却ができません。
なので入手できない厚さ1mm超の熱伝導シートの変わりに厚さ1mmの金属板で代用します。

放熱板の作成

自作パソコン用の放熱板は寸法も合わず厚さもまちまちなので放熱板を自作することにします。

手軽に入手でき価格が廉価で加工性が高く、それでいて熱伝導率が高い金属素材を選択します
またPS2の熱伝導シートの厚さは1mm程度なので、その厚さの金属板があるかどうかもポイントです。

以上のポイントから一般的にヒートシンクにも使われているアルミ板を選択しました
ケーヨーD2で購入。価格も400円ほどで厚みはちゃんと1mmあります。熱伝導率で考えたら銅板でもよかったかもしれません。


アルミ板をノコギリなどで切り抜いて、
アルミ板をプロセッサとほぼ同じサイズに加工し、切ったときのパリを紙やすりで取り除いて完成。

  • 寸法は45mm x45mmと40mm x40mmで二枚必要です

  • 研磨剤で表面を鏡面加工しておくと冷却効率が上がるかもしれません。

    アルミ板はハサミでも切ることが出来ますが、板自体が歪んで冷却効率が下るので却下。出来るだけアルミも切れるノコギリで板が歪まないように切るようにします。


    完成品。

    切り取りが終わったら表面を研磨してごみや垢を取り除いて完成です。

    画像はハサミで切り抜いた失敗品ですが、だいたいこんな感じです。

    放熱板の取り付け

    写真のようにシリコングリスを塗って放熱板をプロセッサ部に取り付けます。
    画像はノコギリで切ったゆがみの無い完成品アルミ放熱板

    ヒートシンク側にも同じようにグリスを塗り両面ともグリスが塗られるようにします。
    画像はプロセッサ二個両方にアルミ放熱板を設置したところ。

  • 上部のメモリ部にも熱伝導シートは使われていますが、今回メモリ部の熱伝導シートはそのまま流用します。
    プロセッサ部とメモリ部のヒートシンクの高さが微妙に異なるため、全てアルミ放熱板に変えてしまうとプロセッサ部が冷却ません

  • 取り付けが終わったらヒートシンクをねじ止めしてPS2を組み立てて熱暴走を起こさないかの確認作業に入ります。

    起動確認

    放熱板でショートすることも無く、無事に起動することが出来ました
    三時間ほど時刻表示の画面やゲームのムービー再生などで放置してみましたがフリーズは起きませんでした。
    ゲーム中ごくたまにフリーズが起こりますが、それでも補修前に比べればフリーズの頻度は非常に低くなり(六時間に一回程度)満足しています

    最後に

    今回厚手の熱伝導シートが手に入らなかったので、熱伝導シートの代用品としてアルミ板を代用品として補修しました。
    アルミ板とシリコングリスに交換したので、経年劣化によるフリーズは心配しなくてもいいようになりました。時間がたてばシリコングリスがエージングされて、今後フリーズは完全になくなるかもしれません。
    また材質をアルミから銅に変えれば更に冷却の向上が望めると考えられます。
    あとは夏の時期に動けば完璧です・・・

    あくまでも身近で手に入る材料で修理できる可能性があるというだけですので、自己責任でお願いします

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