テブナンの定理(等価電圧源の定理)

目次
説明

  • テブナンの定理は複数個の電源と抵抗からなる複雑な回路を簡素な回路として置き換える定理
  • 複雑な回路網を1つの等価電圧源、1つの開放抵抗からなる等価な回路に変換する
  • 1つの電圧源、1つの抵抗に変換できるのならどのように纏めてもよい。
  • 要点は考え方であって、変換する方法は重要ではない。変換できるならなんでもよい
  • 求める値は「等価電圧源」「開放電圧」「開放抵抗(インピーダンス)」の二点である。
  • 鳳秀太郎教授により交流にも適応できることを示したので鳳-テブナンの定理とも呼ばれる。
  • 早稲田の黒川教授により提唱された。米、英、仏ではテブナンの定理という
  • テブナンの定理

     回路を解析する際にはキルヒホッフの法則で可能ではあるが、実際には計算が複雑になり困難なことが多い。これを簡略化し、計算を簡素にした定理がテブナンの定理である。
     テブナンの定理を直流回路で考えた場合以下のようになる。
     回路
     この回路に端子抵抗Rを接続したときのRにかかる電圧を求めたい。キルヒホッフの法則で解析してRにかかる電圧を求めることもできるが、簡単な等価回路に変換すると解析が簡素になる。これをテブナンの定理という



     テブナンの定理で考える場合、求めたい抵抗を取り外しそれ以外を開放抵抗R0として考える。
     回路
     この際以下の点について注意する
  • 端子抵抗Rを取り外した時に端子に現れる電圧をE0とする。
  • 端子側から見た抵抗を全て纏めてR0とする
  • この際に電圧源は短絡、電流源は開放として扱うこと。
  •  回路
     変換すると上図のような回路になり、値は以下のように示す。
     最後に、端子抵抗Rを接続しERを求めることにより、端子抵抗にかかる電圧を求めることができる。
     回路

    以下の回路において端子抵抗Rにかかる電圧ERと開放抵抗R0を求める。
    回路
    図と式は以下に示す
    回路

    参考文献
  • 菅野允(1991)「改訂 電磁気計測」コロナ社
  • 堀浩雄(2004)「例題で学ぶやさしい電気回路 直流編」森北出版株式会社
  • 川上正光(1967)「改版 基礎電気回路T 線形定常編(1)」コロナ社
  • テンプレートのpondt